80年代って異ジャンルのミュージシャン同士が一つの音楽を介してコラボレーションする
ことが大流行した時代でもありました。こういう動きは以前からも「セッション」という形で
欧米では行われていたんだけれど、それが商品化されて爆発的ヒットに結びつくという意味では
やはり80年代がいちばん派手。
コラボにもいろんな形があって、音楽的に似たもの同士で組むもの、まったく異なる音楽性を
持ったミュージシャン同士でおこなうものの2種類が基本だけれど、カバー曲を使う場合もあれば
お互いのいいところを持ち寄ってオリジナル曲を作る場合もあったし、コラボを通じて初めて
そのミュージシャンが実は高い音楽性を持っていることが証明されたりすることもあった。
今回はそんな「コラボもの」の中で僕が特に好きだったバンドをご紹介します。
『The Power Station』!!
1985年にファーストアルバム「The Power Station」が発売されたのですが・・・
もうね、メチャメチャかっこよかった!
メンバーは、まずこのユニットの発起人であったDuran DuranのJohn Taylor(bass)、そして
Duran Duranではビジュアル的にも音楽的にも活躍出来ず、専門家の間で「あいつ、本当は
ギターまともに弾けないんじゃ?」とまで言われていたAndy Taylor(guitar)。AndyはDuranの
世界的成功の裏で自分が活躍できないストレスを抱えており、ずっと憧れていたRobert Palmer
(後述)とのユニットを夢見ていたと言います。
この2人が中心になり、おしゃれなファンク/ソウルサウンドの重鎮・ChicのTony Thompson
(drums)、白人ソウルボーカリストでどちらかと言えば玄人好みのアーティストと評されていた
Robert Palmer(vocal)を入れた4人で結成。トータルのサウンド・プロデュースにはJohn Taylor
がずっと憧れていたというChicのベーシスト・Bernard Edwardsを起用。
彼らのレコーディングはNYの「POWER STATION STUDIO」でおこなわれ、ここからユニット名
が付けられたようです。意外と安易だな(笑)。
当時「アイドルバンド」としての認識しかされていなかったDuran Duran主導で作られたバンド、
当然のことながら「Chic寄りのおしゃれな音になるのでは?」と予想されていたのですが、
出来上がったサウンドは強烈なパワーを感じさせる重厚かつグルーヴ感満載のファンクロック!
このバンドサウンドの仕掛け人はDuran DuranのJohn Taylorだったと言われています。
JohnはそもそもDuran Duran加入前はパンクバンドに在籍しており、Duran結成時のコンセプト
はもともと「ChicとSex Pistolsとハードロックの混合」だったそうです。ところがDuranはその後
ビジュアル戦略重視のダンサブルPOPSへ進んだわけですが、JohnはPower Stationで
このDuran Duranで実現できなかったサウンドを目指したいと、プロデューサーのBernardに
依頼したそうです。
もともと1回こっきりの企画モノとして発売されたアルバムがワールドワイドヒットとなってしまい、
その後はメンバーチェンジなどを経つつやったりやらなかったりの中途半端なバンドでしたが
最初に出てきた時の煌きが凄かったのですよ、ホント。
ちなみにギターのAndy TaylorはこのTHE POWER STATIONでの活躍ですっかり評価が
変わり自信もついてしまったのかこの後Duran Duranを脱退。ソロデビューとなったアルバムも
スマッシュヒットとなるなど、すっかりロックギタリストになりました。
昨年のDuran再結成ではきちんと加わっていましたが。
さてここで残念なお知らせ。
このバンドに関わった方たちのうち、実はDuranメンバー2人以外は亡くなってしまいました・・・
プロデューサーのBernard Edwardsは1996年に逝去。
ヴォーカルのRobert Palmer、そしてドラムのTony Thompsonは2003年。
・・・切ないなあ・・・
僕自身、昔はドラムを叩いていて、Tony Thompsonのスタイルは大好きでした。。
そんな意味も含めまして1曲、彼らのファーストシングルをご紹介しますね。
●Some Like It Hot / The Power Station
素晴らしい
音楽で心を躍らせてくれた、今は亡き偉大なミュージシャン達に合掌・・・
僕は、彼らの生み出してくれた
音楽に出会ったおかげで、いまここにいます。
ありがとう。