僕が高校生〜大学生を過ごしていた80年代はPV、つまりミュージッククリップ全盛期。アメリカではMTVが24時間ミュージッククリップを流しまくっていた。僕は高校2年生のときにホームステイで初めてアメリカへ長期滞在したんだけどMTVには驚いた。こんな楽しい番組があっていいのか!!ってね。その頃の日本にはPVを流す番組って週1オンエアーの「ベストヒットUSA」ぐらいしか無かったし、今のようにCSやケーブルTVなんかも無かったからね。思えば携帯電話もまだ無かったよなあ(笑)。それまで音楽はラジオやテレビからヒットが出ていたのだけれど、PVをオンエアーする番組が増えると同時に、ヒット・アーティストも少しずつ様変わりしていった。つまりビジュアルを売りにするアーティストなんかが増えてきたんだね。僕が高校に入ったあたりなんかでは「ニュー・ロマンティックス」と呼ばれるムーブメントがあって、DURAN DURANやKAJAGOOGOO、JAPANといった「ビジュアル重視」のバンドも数多く登場して、アイドル的に注目された。こんなことをキッカケにして、PVにチカラを入れることが当時の主流になった。特に新人はPVでもの凄いインパクトのあるものを作ることで、注目されやすくもなるしね。そして80年代半ばに出てきたのがA-HA。デビューシングル「TAKE ON ME」のPVは斬新で実写で撮影した動画を元にして手描きスケッチを起こし、それを再び実写に組み合わせるというなんとも手間のかかったPVを作ったんだけれど、それはそれは・・・斬新でカッコよかった。これがそのPV↓
この「TAKE ON ME」、実は面白い話がある。僕らが知っているこの曲は実は「セカンド・ヴァージョン」。つまりこの前に違うアレンジが施された「ファースト・ヴァージョン」があるんです。ファースト・ヴァージョンはトニー・マンスフィールドがプロデュースしたもので、A-HAの母国ノルウェーではヒットしたもののワールドワイドヒットには結びつかなかった。これが1984年のこと。翌年1985年にアラン・ターニーがこれをリアレンジしたのが大ヒットした「TAKE ON ME」。もちろんこのPVによるチカラも大きかったけれど、非常に新鮮で清潔感があって、まさに「新時代のアーティスト誕生」って感じだったなあ。A-HAはその後あまり大したヒットには恵まれず、94年にはバンド活動を休止してそれぞれがソロ活動を開始。ちなみにキーボードのマグネ・フルホルメンはこの間に画家・彫刻家としてもかなり名をはせてしまってるんですが、98年におこなわれた「ノーベル平和賞記念コンサート」をきっかけにA-HAを再結成。2000年発売のアルバムはヨーロッパ各国でプラチナアルバムを獲得しているし、今年2006年1月リリースのアルバムはUKチャートでトップ10入り。はじめはビジュアルメインで売り出したけれど、約20年経ってもきちんとやれるだけの才能、そして努力するこころを持ってたんだね、A-HAって。ちなみに昔のものですが、僕が「TAKE ON ME」以外で好きだった、当時の彼らのPVをご紹介します。まずはこれ↓。TAKE ON MEを収録しているのと同じアルバムに入ってます。っていうか、この曲のタイトルがアルバムタイトルでもあるんだけど、とても美しく素晴らしいPVなので、ぜひ最後まで見てください。●HUNTING HIGH AND LOW / A-HA
そしてもう1曲。これは88年にリリースされた3枚目のアルバムに収められた、やはりタイトル・チューン。北欧出身の彼らだからこそよりリアルに感じる清潔感がステキな曲なんですが、なぜあまり売れなかったかはPVを観れば一目瞭然。なんかね、ノーアイデアで作っちゃった感じです。PVさえもう少しちゃんとカッコよく作ってれば、もう少し売れたと思うんだけどな。●STAY ON THESE ROADS / A-HAというわけでA-HAでした。たまに聴くといいな、やっぱり。うん。こういうバンドって風土的に日本からは出てこないのかな。沖縄もがんばってることだしそろそろ北海道からもスゲエのが出てきて欲しいよね。
テーマ:YouTube動画 - ジャンル:音楽
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Author:mkazuho MINAMI KAZUHO(南一帆):作詞家・音楽ライター・コピーライター。MINAMI KAZUHOは文筆活動時のペンネームで、音楽プロデューサーとしては本名を名乗っている。80年代後半の大学在学中に本格的なバンド活動を行う中でプロダクションに所属。アーティスト活動と平行して作詞提供を行い数々のヒットに携わる。大学卒業間際にバンドを解散、その後レコード会社に勤務し音楽制作ディレクターとして活躍。現在もプロデューサーとして良質な音楽とヒット作りに邁進中。2009年には音楽業界歴20周年を迎える。趣味はF1観戦・映画鑑賞(ティム・バートンものに目がない)・美術館巡り・クロースアップマジック、そしてもちろん音楽鑑賞。THE BEATLES・PHIL COLLINS・RUSH・AEROSMITH・ROXY MUSICその他を愛する雑食系洋楽オタクでもある。 (Photo by JUN ABE)
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